田中順平

私たちは、例えば、肩に不快感があったとき肩が凝った、お腹の具合が悪ければお腹の調子が悪いというように認識します。しかし、胸部に不快がある場合は、胸が苦しいと認識するよりも、心が苦しいと認識するところがあります。これは、人間の体は、感情と胸部の感覚が連動する造りになっているということを示す事象だと考えています。 私たちには、心に関する大きな思い込みがあると考えています。それは、『人には心があり、心が自分そのものだ』といった感覚です。 自分の心がどこにあるのかを感じてみて下さい。「脳が考えるのだから頭にあると思う」などと、どこにあるのかと考えるのではなく、どこにあると感じるかです。人によって感じる場所に多少の違いがあるのですが、多くの人は、胸の中央の部分に感じると思います。